中建日報　2020年9月25日号

 
「チームワークでこのコロナ時代を乗り越えたい」と話すのは建設コンサルタント、ウムヴェルト（呉市）代表取締役の平賀勝秀氏。
　新型コロナウイルスの影響による市場の変化について、多発する自然災害で国土強靭化につながる市場の拡大は続くとするも、特に民間では自粛ムードが広がり、安易な投資を見送っている状況だとみる。
　このコロナ禍で、同社でもこれまで時間をかけて準備してきた仕事を諦めざるを得ない状況に。「社員の安全を最優先に考えた。大変苦しんだが、最善の判断ができたと確信している」と明かす。一方、現場の安全対策については「お客様に迷惑をかけることは、いくらコロナでも絶対に許されない」と語り、十分な感染対策をとったうえで今夏も安全大会を実施した。『安全も技術に含まれる』との考えを参加者全員で再確認し、改めて安全意識を共有できたと感じている。
　「重要なのは、コロナウイルスを正しく恐れ、そのうえで目標達成に何が必要か、必要でないかを判断することだ」と強調する。
　ウィズコロナの働き方に関しては、オンラインの活用など便利なツールは増えるが、それだけでは人の心やぬくもりを感じる仕事はできないと指摘する。「やはり重要なことについては、直接会って話をすることが大切だ」といい、「仕事は人間的なつながりの中で生まれ、必要とされることで、世の中に役立つことができる」との思いがある。
　「コロナ禍を経験し、経営者として考えさせられた部分が多い」と平賀社長。「仕事というものを改めて考え直すいい機会になった」と実感を込める。